初再呈示 拡大版

 

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「神」とは、己が魂を求める人生態度の窮極に対面するものである。これがぼくの神観である。

そのような意味では、〈私を意図的に欺く悪霊の支配〉すら積極的に想定して自分をぎりぎりの極限に追い込み、自分以外のすべてのものの真実性を否定して、〈われのみ存在する、「思う」われのみ〉にゆきつき、この「われ」に相応する存在としてのみ「神」を認めたデカルトと、「啓示」に拠ることなく己れの孤独、生の経験の孤独さの全量を挙げて「神を感覚」しようとしたリルケらのロマンティカーおよび象徴派たちは、その精神態度においてぼくのなかではいつも重なっている。