愛はどんな付属品でもない。世界観・人生感情の根本である。 

 

 

愛は神と関わることそのもの。愛のあるところに神はある。愛がなければどんな自尊心もこの世を基準にしているにすぎない。

 

 

愛は人生感情の変革である。存在感情の変革、と、ぼくは最も充実した実感をもって言う。他からの人間感情と闘い得る唯一の力である。

 

 日本人のように強情で傲慢な人間感情を有している者たちはいない。ぼくはこれにたいして強い闘争性をじぶんの内に感じる。これこそが理不尽な経験の意味だろう。

 

 

愛は、品評感覚ではなく、信じる力である。

 

 

「私に愛を贈ってくれる超越者を信じないわけにはゆかない」というヤスパースの言の真理性が感じられてくる。