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これがショーペンハウアーの意志論の帰結であるはずだ。そして彼のイデア論美学の。

 

 

神の観照に生きるスピノザも窮極的にはそうだろう。

 

 

 

美の実践と経験を妨げるのは、意志の発動であるとショーペンハウアーはかんがえる。これを突き詰めると、善いことを為そうとする善意志でさえ、目的を志向する意志であるかぎり、純粋な美の境位から逸脱する方向にあるものであることになる。これは深いかんがえであるとぼくは思う。善意志はそれ自体で価値あるものでも、実質的なもので満ちているのでもなく、イデア的な(それ自体で充足した)美に参与する程度に応じて、価値ある、充実したものだとかんがえられるから。

 

 

ぼくが或る事業を成功させたとする。そこにはほんとうの幸福や充実は消えている。