ぼくはぼやっとした人間ではないから、ぼくがどれだけ価値のある人間かを知っている。だから、どうしてみながぼくを拝まないんだという不平をいつも抱えている。しかしすぐに、みながぼくを拝むくらいの意識があるなら、この世はもっとましに、天国に近くなっている、と気づき、ぼくがどんなに優れていても無名であることはこの世の有り様から仕方ないと思い直す。