だれをも受け入れようとする不自然な〈努力〉も、けっきょくは偽善でしかないと悟るにしても、人間らしい意識過程なのである。ただ、ぼくが黙っていられないのは、そういう意識過程にある者が、それを絶対化して他に押しつけ、他の魂を傷つける場合である。そうやってその者は、じぶんは愛とは何の関係も無い者であることを、みずから暴露する。けっきょく、人間の底の浅い深いの問題なのである。