ぼくと会う縁をもちたければ十回位人生を繰り返しておいで。

 

 

ぼくも、身内相手に矜持を忘れない。

 

 

高い精神の者にとって、身内は最も危ない可能的容喙者・無礼者なのだ。距離をとること、疎遠であることは、かれらに罪を犯させないためでもあるのだ。自然な運命こそ、当事者よりもそのことをよく心得ている。

 

 

 

 

封建制・王制は、人間の最も原初的で一般的な感情と想像力を納得させて統治するための方便であり、統治者自身はそのことをよく心得ているはずである。それゆえ、身内の関係こそ厳格な礼儀によって支配されねばならない道理もまた、よく心得ていなければならない。