公式ジャンル記事ランキング:教育126位 11 9

 

 

ヤスパースのエクシステンツを実存と訳しているが、ぼくは、内実においては人間の品格のことであると思う。実存的に生きるなどという言い方は訳の分からない言い方であり、品格をもって生きるといえばよい。すると、品格をもって生きるためには信仰が不可欠であることが理解されてくる。超越者への信仰である。これは本気で信じなければならないのであり、依存的であると云われようが甘いと云われようがほうっておけばよい。信仰がないために恥ずかしい思いをするよりもはるかによいのである。 

 

ぼくは生きているかぎり品格のための信仰をもち、これに拠って信じてゆこうと思う。 

 

 

超越者への信仰は、教義的に規定された神への信仰ではない。ヤスパースの信仰を知るためには彼の『哲学』を読まなければならない。立派な信仰である。キリスト教に対峙するためではなく自分の信仰を持つために。