こういう言葉を書いてもすぐわすれてしまうが、もともとじぶんの想念であり、それに言葉をあたえられることに感銘するのだ。

 

 

 

 

 

『 すべての不安は、悪魔より来る。勇気と喜びは、神より出ずるものである。』

 

 

『 主よ、ただ信仰と確信だけをあたえてください。 

 そうすれば、自分のことも愛する者のことも不安でなくなります。』 

 

 

『日記』より 

 

 

 

『 われわれは、たがいに完全に理解しあうということはけっしてあるまい。しかし、理解しあうというよりもはるかにより以上のことをするであろうし、また、することができる。』 

 

 

『 最高のものは、最も理解しやすいもの、最も身近なもの、最も不可欠なものである。』 

 

 

『花粉』より

 

 

 

 

ノヴァーリスという人間の英邁さは これだけで窺うことができる。

 

 

 

 

人間は、どんなにしたって、じぶんの本心いがいのものとは結び合わない。 それが真の信仰であり、思想とは それを掘り下げることにほかならない。

 

 ぼくもこの自分の言葉を加えたい。

 

 

 

 

きょうはノヴァーリスに関する或る論文を再読し、昔よりは解ったように思う。創造的想像力の本性について、ノヴァーリスは形而上的次元で徹底的に煮詰めていることがよく解った。健在(常)者だったらこういう理解へは進まない。健在を失って得る哲学的理解もある。

 

 高田博厚先生の想像力と芸術創造に関する反省としっかり嚙み合う論をノヴァーリスが展開しているのに感心した。