(ヴィオレット) とてもひどく。

 

(ジェローム) ぼくのせいなのかい?

 

(ヴィオレット) なによりも、あなたのせいよ。それから、モニクの健康のこともあったわ… あなたは、あの子のことはわたしに訊きもしないのね。

 

(ジェローム) 分かってる、よく知ってるよ… きみには、すまない…

 

(ヴィオレット) すまないって… もし、あなたがわたしをほんとうに愛しているなら、ジェローム、ほかに言うことは無いの?

 

(ジェローム) きみのその娘は、ぼくが大嫌いな男の子供だ。あの子は彼に似ている。もしもぼくがあの子の… ぼくのせいじゃない、ヴィオレット。まさにぼくがきみを愛しているからだ。解ってくれ。愛とは、心地良い付属物と一緒にあるような全き休息の感情じゃない。

 

(ヴィオレット) それはひとつの病気じゃないのかしら。

 

(ジェローム) きみはそこから完全に治りきったように、ぼくには感じられる。立派だよ…

 

(ヴィオレット) わたしは何からも治っていないわよ。

 

(ジェローム) ロニーに来るなんていう考えも考えだ! まるで、ほかの処では治療できないみたいに! ぼくに近づくためではなかった。きみは、ぼくがここに居ることを知らなかったのだから。(つづく)