(ヴィオレット) 彼女、祈っているのかしら?
(ジェローム) 自分を集中させているんだと思う。
(ヴィオレット) なんということでしょう! すべてをやり直そうというのね…
(ジェローム) きみに言っておくけど、彼女はぼくたちの関係をよく知っているよ。
(ヴィオレット) 彼女がそれをあなたに言ったの?
(ジェローム) うん… きみはそれで驚くふうでもないね。
(ヴィオレット) ええ… 盲目でないかぎり、ぜんぜん察さないなんてことはないわ。
(ジェローム) きみは突然、なんてわざとらしい口調になるんだ… ぼくがきみを許せないのは、ぼくの手紙に返事を書かなかったこと、きみの住所をぼくに教えるのを、きみの家の管理人に禁じたことだ…
(ヴィオレット) わたし、自分を信用していなかったのよ… ほかに、自分を守る手段が無かったの。
(ジェローム) さっきは、きみはぼくに答えなかったけれど、きみはぼくをまだ愛しているのかい? ヴィオレット。
(ヴィオレット) 分からないわ。
(ジェローム) どうして分からないんだい?… この六週間のあいだ、気分が悪かったのかい?