第七場
ジェローム、ヴィオレット
(ヴィオレット) ジェローム!… 彼女は、あなたがここに居るとは、わたしに言ってなかったわ。
(ジェローム) 彼女は、ぼくが居ることを、きみに予め知らせる必要がなかったのではないだろうか… きみがここに居ることを、彼女は知っているのかな?
(ヴィオレット) わたしをここに入れてくれた召使が、わたしに教えてくれるべきだったわね。(沈黙。)
(ジェローム) きみは、自分がぼくにした不都合に気づいているかい?
(ヴィオレット) わたし、ほかにしようがなかったのよ… 起こってしまったことの後では、どうしようもないじゃないの。
(ジェローム) きみが何のことを当てこすっているのか、理解したいものだよ。
(ヴィオレット) それに、あなたは、すべてはこうして、より良くなっていることを認めなければならないわ… (ヴィオレット、部屋を示す。)あなたの言うことをわたしが言葉通りに取っていたとして、あなたが放棄しなければならなかったはずのもののことを、少しは考えてちょうだい。わたし、あなたに、ものすごい貢献をしたわ。