(アリアーヌ) 私がパリに着いてからというもの、私はすべてを理解していました…

 

(セルジュ、感銘を受けて。) すごいことですね。

 

(アリアーヌ) 私の夫からも便りがありませんでした… とても悲しいことです。

 

(セルジュ) え、彼が!…

 

(アリアーヌ) 私はあなたには、彼を判定する権利はまったく認めません… よく承知しておいてくださいね、彼の側では、あなたの行状について、最も厳しい評価を懐いています… こういったすべては何の価値も無いものです。

 

(セルジュ、へりくだって。) おそらくあなたの仰るとおりです。あなたは卓越した女性でいらっしゃる。

 

(アリアーヌ) いいえ… 卓越した女性などいません — 卓越した男性がいないように。私たちはみんな、片輪で… 身体障害者です。私の夫が戻ってくる気が私はしています。あなたは彼とは会わないほうがよいです。

 

(セルジュ) ぼくは、彼は怖くありません、ご存じでしょう。

 

(アリアーヌ) 私のために、あなたに頼んでいるのです。

 

(セルジュ) お好きなように… ぼくに一日くださいますか?… あなたに打ち明けることが、ぼくには沢山あるのです… (つづく)