(つづき)この状態のいかなる観念も形成できないのですが。そのうえ、彼はさっき、わたしに、この上なく不当で、心を傷つける非難をするに至りました… (言い続けられない。

 

(アリアーヌ) よく解らないわ。何で、彼にとってのその二重なものが、あなたのものよりも小さいの? そして、そこから彼があなたにした罪なことで、彼にはどんな性質があるというの?… それとも、あなたはそうは思わないの?… あなたが、彼の神経質と呼んでいるものの中には、ちょっと嫉妬の感情が入っているのではないの?

 

(ヴィオレット) どんなにしてですか?

 

(アリアーヌ) 私にたいしてよ。

 

(ヴィオレット、弱々しく。) ええ… そうですねぇ…

 

(アリアーヌ) いいですか、このような重大な決断が、彼に押しつけられたものであってはならないでしょう。彼のとても弱い面のためにであっても、愚かで一時的な悔しさによってであっても。ジェロームがそのような児戯の類をすることがないとは、私は思いません。

 

(ヴィオレット) どうしてそう仰ることができるのですか?

 

(アリアーヌ) 躊躇するということは、あなたには出来ないにちがいない、と私には思われます。ヴィオレット、あなたのような真実で、奥の深い女性は、本質に関して見誤ることがあるはずもないでしょう。このような類の決断の本物さに関して、と私は言っているのです。