初再呈示

 

「人間の尊厳」は、ここで述べるような人間の個人的境位に、絶対的価値を認める、意識感覚に土台をもつ。 尊厳の根拠は「魂感覚」である。 神や自然の美をも感じる「人間」そのものが、尊厳の根拠なのである。神や、自然から、それに関わるものとして人間の尊厳が出てくるのではない。 神の似姿そのものから尊厳は生じるのであり、神を介して生じるのではない。

 

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今夜は、なにも読まず、書かず、人間の尊厳が因って来るところの、「自然」と照応する人間「神」と照応する人間のことを ずっと思念していた。芸術が「反運命」であることの根源もこの照応境位にあるのである。この照応境位は、極限的に個人的な境位であり、その個人(としての人間)と照応する「自然」と「神」も、具体的な個としての人間にとってのみ現前し開示されるような本質のものである。運命の外的な力も、この個の内面的な境位を本質的に侵食することはできない。高田博厚とマルローが強調し証言するのも この点である。ヤスパースが開明を試みる実存の境位も、実存が世界(自然)と超越者(神)との関係性において顕現するものであることを本質とする。 

 

ぼくの本来の仕事は、こういう境位に身を沈めて根源的人間思想を感得し了解することにほかならない。 

 

 

 

 

 

#高田博厚#マルロー#ヤスパース