(ヴィオレット) それでも、わたし、したでしょう… でも、分かりません… わたしは何も解決しなかったと感じているのです… 逆に。

 

(アリアーヌ) それはほんとうね。

 

(ヴィオレット) どうして、そう思うことができますの?

 

(アリアーヌ) あなたの直観は私の直観と一致するのです。

 

(ヴィオレット) まあ! わたし、直観などありません。意識がゆるんでいて。それだけですわ。

 

(アリアーヌ) その反対だと私は思いますよ。

 

(ヴィオレット) いやですわ。それで、あなたは… わたしには、あなたが解りません… ある時はわたし、あなたを誰よりも讃嘆しますが、ある時は… 

 

(アリアーヌ) え?

 

(ヴィオレット) 言葉がありません。当惑します。そう、まるで、わたし、倒れたみたいに。ぞっとします。どんな説明もしてくださる必要はありません。それどころか、あなたはどんな説明もわたしにしてくださることは出来ないと、わたし、思います。でも… ほとんど信じられないくらいのこの寛大さは… それから、あなたが強いたこの約束… そしていまのこの静けさ、すくなくとも表面的にはあるこの晴朗さ、これをあなたは守ることができていらっしゃる。わたしのほうは、自分のことを思うと… そう、このすべて、そしてほかの多くのこと… (つづく)