(ジェローム) 度が過ぎてるよ。

 

(アリアーヌ) 教えてあげましょうか、この稽古は私の喜びであるだけでなく、彼女の経済的な得にもなっているのよ。

 

(ジェローム) じゃあ慈善でやってるのかい? 

 

(アリアーヌ) そんなんじゃないわ。

 

(ジェローム) もし彼女がそう思っていたら、ここへはもう足を踏み入れないような気がするなあ。彼女はとても誇り高いからな。

 

(アリアーヌ) あなたはしばしば彼女の処にいたの?

 

(ジェローム) 四度か五度、いたと思うよ。 

 

(アリアーヌ) もっとじゃないの?

 

(ジェローム) それはないと思うな。数えたわけではないけど… 彼女はぼくにはとりわけ好意的なわけではない。

 

(アリアーヌ) バシニーって何者?

 

(ジェローム) 興行者さ。

 

(アリアーヌ) その人、彼女の生活で何か役を演じてるの?

 

(ジェローム、荒々しく。) なんだって? (自分をとり戻して。) それについてはぼくは何も知らない。彼女はぼくには自分の個人的生活の事情を知らせてくれないんだ。

 

(アリアーヌ) 初めて私が、(つづく)