それを忘れさせないのは本来の芸術の役割だ。芸術のなかにこそ本来の人間は存在する。 人間の本来の雄大さ・偉大さは、哲学だけでは想起も保持もされ得ない。 

 

とくに音楽は宇宙的なエネルギーを展開・実現しうる。

 

 

現実の人間関係も、雄大さ・偉大さを忘れさせるものでしかない。

 

ヤスパースの哲学も、マルセルの戯曲も、早々の位置づけが必要だ。ああいうものだけでは人間の本来の雄大さ・偉大さをわすれてしまう。 身体へのこだわりも苦痛と向き合うことも、雄大さ・偉大さをわすれさせる、いけないことである。 操作へのこだわりも。 

 

 

真面目な者がつい熱心にやってしまうことによって人間は失われるのだ。 すべて脅迫観念。 現代はこれでもかこれでもかと脅迫観念を押しつける。社会の側のみではなく、社会を批判する側も、こうなる、こうなると、脅迫する。