(ジェローム) アリアーヌ!
(アリアーヌ) 何? あなた。
(ジェローム) それは全部本気かい? きみはどうして分からないのかな? ぼくの専らの欲求は、ぼくはもう… これまでのように、きみの世話にはなりたくないということだっていうことが…
(アリアーヌ) でも、ジェローム…
(ジェローム) ぼくが是が非でも… 生活費を稼ぐことに執着していなかったら、『パリ新聞』と『相』のあの執筆欄をぼくのものにするという目的のために、あんなに自問自答しただろうか?
(アリアーヌ) じゃあ、フィリップが正しかったのね…
(ジェローム) もう一度言うが、フィリップのことは外そう。
(アリアーヌ) でも、あなた、その仕事が嫌なら、どうしたって他のものを探さなければならないわ。
(ジェローム) 子供っぽいな。きみは、現代では支払いのある仕事があることで自分を充分幸福だと見做さなければならないということに、気づく雰囲気が無いね。
(アリアーヌ) 解ってるわ、でも、それにしたって… ほんとに馬鹿げてるわ。あなたはどうして理解しないのかしら、私の唯一の、最も純粋な喜びは、いずれにしたって、(つづく)