(セルジュ) ヴィオレットがどう言うかを見なければ… でも、これはすばらしい考えのような気がするな。
(シュザンヌ、考え込みながら。) たしかにヴィオレットは時々、かなり奇妙で… ずいぶん疑い深いことがあるわ… ずいぶん疑い深い…
(アリアーヌ) 彼女が、この考えは私のものだということを知るのは、ぜひとも必要というわけではないわね。もしもの場合には… 彼女に、この事はあなた方の人脈の一つを介して成った、と仰ってはいただけませんでしょうか? 私としては、このような許される嘘に私を関わらせても、あなた方のお立場に少しも気懸かりなところは感じないと、率直に申し上げます。
(セルジュ、動揺して。) もちろんですとも…
(アリアーヌ) よく考えて、事を呑み込むつもりですわ。必要があれば、あなた方に、その方向で振舞っていただくよう、一言手紙を書きます。
(セルジュ) でも、ヴィオレットが詳細をもとめてきたら…、ぼくは作りごとを言うのはそれほど得意じゃない。
(シュザンヌ) 私たちふたりで、なんとか切り抜けましょう。心配しないで。