(シュザンヌ、感情が炸裂して。) それでいて、あなたは、私に慎みが欠けていると、わざわざ非難するのね! まるで、ルプリユールさんを自分の偏執的な思いでうんざりさせに行くことのほうは、ろくでなしの行為ではないみたいに。あなたみたいにヴィオレットのことを話しに行くよりもぶしつけなことをする人間は、多分この世に誰もいないわ。

 

(アリアーヌ、しっかりした口調で。) 何を思ってらっしゃるのか分かりませんが、重ねておねがいしたいのは、多分はっきり言葉にすることはできないことのほのめかしは、やめていただきたい、ということです。

 

(シュザンヌ、セルジュに。) ともかく、あなたが、彼女はもうあなたには帰って来ないだろうと想像しているのなら、それは間違いだと請け合うことはできるわ。彼女はあなたのことはほとんど思っていないし、以前だって、あなたは一度も重きをなしたことはなかったでしょうね。そうでなければ、彼女が私たちの結婚をこうあっさりと受け入れることはなかったでしょう。ほんとうのところは… 

 

(アリアーヌ) あなたは、言わないほうがよかったと思うことを口になさろうとしている。それよりも、モニクお嬢ちゃんのことを話していただきたいのですが。

 

(セルジュ) それもまた、きのどくな将来ですね、ほんとに。あの子はぼくの妹に似ている。五歳で亡くなった。

 

(アリアーヌ) 仰らないでくださいませんか? (つづく)