(セルジュ) ぼくの食欲の調子を狂わせたのはお母さんだよ。

 

(シュザンヌ) 私たちが結婚した時、あなたは自分から言っていたわよね、キャベツも、茄子も、何とかも、食べられない、って…

 

(フィリップ、立ち上がって。) ぼくは失礼しますよ。急いで書かねばならない手紙があることが、気になっているので。(アリアーヌに。)ジェロームの事務室にぼくを落ち着かせてくれないかい?

 

(アリアーヌ) もちろんよ。彼の万年筆は取らないでね。それだけ注意してね… あれは誰も使ってはいけないのよ。

 

(フィリップ) 多分またお目にかかります。すぐに。(挨拶して出る。

 

 

第三場 

 

アリアーヌ、セルジュ、シュザンヌ

 

(セルジュ) あなたのお兄さんは、ぼくたちのことをどう思ってらっしゃるんだろうか。 

 

(アリアーヌ) 心配なさらないで。説明しておきますから。