ヒュペーリオンの最後の箇処に、付記のように記されている、ドイツ本質の徹底的批判は、事実、正確であり、「これは苛酷な言葉だ。だが、それが事実である以上、言わずにはいられない。」(145頁)と記されているとおりである。自国にこれだけ正確で根本的な批判のできるドイツ人はほかにいないだろう、と、他の証言を探すまでもなく、言うことができると思う。外国人であるぼくがやむを得ず数年滞在(この後、この国への絶望から、ぼくは一生の問題として、つき合う国を、ぼくを本質的に感動させたフランスに選択し直し、移った。)して感得したことを、当地の数世紀前の歴史的大文化人から確証してもらい、ぼくは感動している。じぶんの勉強の遅さを恥じ入りながら。