《「ああ、何もかも喜びと希望でいっぱいでした」と、ディオティーマは叫ぶように言った。「すべてのものが休みない生長の勢いにあふれていながら、それでいて落ちついていて、幸福をたのしんでいるさまは、ひとりで遊びに興じて、ほかのことは思わない子供のようでした」

「それが」と、わたしは応じた。「自然の魂だと思います。そういう静かに燃える火、そういう力強い歩みと落ちつき、それが自然の真実の姿でしょう」》 

 

 

ヒュペーリオン 84頁 

 

 

 

《きみが今までに相手にした世間はあまりにも低劣すぎていて、きみの真価を認めることができなかった。きみは奴隷の勤めをする気がなかったために、何もしなかった。そして何もしなかったことが、きみを気むずかしい空想家にしてしまったのだ。》 

 

同 86頁