(アリアーヌ) 私が彼を一度でも自分の夫にしようと思ったかどうか、そんなに確かでもないのです。病気になる前、私は、公共の意見と私が呼ぶものに敢然と挑むことしか、考えていなかったのです。子供じみていましたわ。その後、私の関心は他のものに移りました。

 

(ヴィオレット) でも、あなたが出会われた時は…

 

(アリアーヌ) ジェロームと? 彼とは出会ったとは言えません。私たちは一緒に育ったのです。私たちの二つの家族は昔からずっと知り合いだったのです。私がセルジュ・フランシャールに恋の炎を覚えた頃、ジェロームはオックスフォードにいました。

 

(ヴィオレット) それでは彼がイギリスから戻ってからですね、あなたがお感じになったのは?… 

 

(アリアーヌ) ええ、そうかもしれません。(沈黙。) 数か月か、多分ほんの数週間後、私は彼にそのことを、病気や熱の発作のことを語るのと同じような調子で、話したのです。ルガノ湖の上のあたりでしたわ、思い出します。そのときの散歩の途中で、私たち、結婚式の日を決めたのです。

 

(ヴィオレット、動揺して。) どうして、そこまでわたしに全部お話しになるのですか?