世に必要なのは、世間知のある利口者より、世間知らずの志のある者だ。それにしても、いつも多数である前者は、どうしてあのようにいつも得々として優越顔なのだろう。じぶんで敗北者であることを決めた者たちの勝利顔という、逆説的なものもあるのだ。
世間知らずの志のある者であるぼくは、侮辱をものともせず、いつもかれらを軽々と凌駕し、勝利していった。だからほんとうの謙虚というものを知っている。
神は、ぜったいに、ぼくが侮辱されたままにはしておかない。
まことの、よき復讐の神である。
ここに書いている智慧は、そのような世間知らずの者の、自己を信仰する者の智慧であることを、忘れてはいけない。
神が愛するのも、神を愛するのも、幼児なのだ。幼児こそ、真の知性をもっている。
ヘルダーリンの空気に触れてぼくのものが目覚めた