ぼくの、東京を中心とする関東地方での人間経験が、いま、不意に形(言葉)となったので、この節題として記しておく。親切で尊敬する方もいらっしゃるのだが、人間とは言えないひどい人間が、いまから思うとあまりにも多くいた。ぼくもぼやっとしているから、いままで何となく押されて積極的な認識は覚えないできたが、いま、不意に、はっきりとそのように認識できたのだ。日本の人口の十分の一が存し、日本の統括機構が集中している地域だから、地方の人間は、ほとんど口には出さずに抑えているが、やはりじぶんたちがどんなに逸脱した人間性をもっているか、いちどはっきり言ってあげたほうがよいと、いま思いたった。善良な方々には、びっくりさせ、まことに申し訳ないが、ほんとうに、鬼気狂いのような人間が日常的に居すぎて、あれをやったら人間失格どころでは済まず、血を見ずにはいない、ということ、普通な当たり前のことではないということ、そのことをはっきりと認識として記しておくことは、ぼくの感覚の平衡を回復させるために、ぼくの人生と人間性にために、必要であるという動機から、ここに記させていただきました。 

 では、おさわがせして、ごめんください。みずからをかえりみて関係のないことだと思える方には失礼をいたしました。 

 

 

 関東人は、人間の魂にたいして鬼の本性をもっている。いかなる同情もおぼえさせない。