第八場
同上の人物、ヴィオレット
ジェローム、彼女の処へ赴き、彼女を抱擁し、不安そうに見つめる。
(ジェローム) ぼくのきみ… 顔色が冴えないのはほんとうだね。
(ヴィオレット、答えずに。) モニクが汗をかいていたの。下着を全部替えてあげなければならなかったわ。
(ジェローム) 診てもらわなければならないのだろうね。
(フェルナンド) パウルス医師が明日寄ります。
(ヴィオレット、かすかに笑って。) まあ! 思ってもいないわ。
(ジェローム) パウルス? ヴァランタンがとても良い小児科医だと言われていますよ。
(フェルナンド、そっけなく。) あなた、その医師をご存じ?
(ジェローム) 全然。
(フェルナンド) 一回の診察で三百フラン取るのですよ。