〔トラウマになるようなひどいやりとりがつづく。いつ翻訳をやめようかとおもっている。子どもも、無意識に感じて叫ぶだろう。よくこの時に叫ばせた。〕 

 

(フェルナンド) 変な心情ね。(沈黙)。さっそく言うけど、ここで起こっていることに私はもう長くつき合っている気はないの。この窮状からあなたを脱出させるためにバシニーを当てにしてたのよ。

 

(ヴィオレット) はっきり言って。

 

(フェルナンド) あなたはかなりしっかりしているから、バシニーのような男の好意が、あなたにとってどんな幸運を意味するか、理解してくれるものと思ってたわ。

 

(ヴィオレット) 正直に。あなたが期待していたのは…

 

(フェルナンド) 全然何も。でも、それが来たら、そう、私は享受したでしょうね。だいいち、私が認識するかぎりでのあなたは、このなさけない縁を断ち切ったでしょう。繰りかえすけど、彼はしまいにはあなたと結婚したでしょうに… (ヴィオレット、フェルナンドをぞっとするような仰天の表情で見つめる。) どうしてそういうふうに私を見るの? 

 

(ヴィオレット) あなたって恥ずかしい。

 

(フェルナンド) 私からすれば、その恥ずかしさはあなたにお返しするものだわ。(子どものモニクが、ママ! と、隣の寝室から呼ぶのが聞こえる。)

 

(ヴィオレット) はい、はい、いま来ますよ。(奥を通って出る。)