(フェルナンド) 私が病気だった頃、彼女が私に書いた手紙よ。その後のもあるわ。(ヴィオレット、ぼんやりした身振り。)

 

(ヴィオレット) それは私宛じゃないわ。

 

(フェルナンド、皮肉っぽく。) たしかに。

 

(ヴィオレット) 彼女について話すの、もうやめない?

 

(フェルナンド) おやまあ! (沈黙。) 彼女から絵葉書が昨晩私に来たのを知ってる?

 

(ヴィオレット) ええ、彼女の文字だと判ったわ。

 

(フェルナンド) 私に会いに来たいと私に言ってるのよ。あなたと知り合いになるのが楽しみなんだって… 何?

 

(ヴィオレット) 何も。

 

(フェルナンド) 気持ちの良いことじゃなくって?

 

(ヴィオレット) 聞いて、フェルナンド、私を苦しめて何が嬉しいの?

 

(フェルナンド) あら! 大げさはやめましょうよ。

 

(ヴィオレット) この状況はひどいわ、耐えられない…

 

(フェルナンド) それでもあなたは満足でしょう。

 

(ヴィオレット) ちがうわよ。とにかく… 彼女には会わないわ。