なぜなら、じぶんが他に思ってもらえるように心掛けることなく、じぶんが人格だというだけで、他から尊重されるように、他にたいして要請するからである。 およそ道徳的に要請する者は、道徳という衣の許で、他に甘えている。 それでいて、じぶんは、他にたいする勝手放題の態度言動を改めないのである。 

 

 

 道徳的な人間が嫌われるのは、こういう心理に原因がある。 

 

 思っても楽しくも愉快でもなく、不愉快と腹立ちしかないような者のことを、誰が大事に思うものか。小学校クラスの問題ではないか。理屈というものがいかに人間を馬鹿にするかということだ。