(フェルナンド) どうして音楽家たちのことが話題になるの? 空腹でどうにもならない彼らのことが。彼らを当てにしなければならないなんて! 

 

(ヴィオレット) とにかく、あなた、彼の結構な奉仕にたいして私が支払わねばならないところだった代価を理解しているの?

 

(フェルナンド) 彼はけっきょくあなたに求婚するに至っただろうと、私は確信しているわ。(ヴィオレット、笑いを爆発させる。) まっ! 

 

(ヴィオレット) あなた、まったく狂ってるわね… 

 

(フェルナンド) ほんとうは、彼はまったく単純に、家庭を築きたいという思いをもっているひとりの男性なのよ。

 

(ヴィオレット) そのことで彼を助けるなんて、酔い夢もいいところだわ! 

 

(フェルナンド、厳しく。) あなたの計画は何なの? 

 

(ヴィオレット) 無いわ。 

 

(フェルナンド) ジェロームが離婚してあなたと結婚することを期待しているのなら、間違ってるわよ。

 

(ヴィオレット) そんなこと全然思ってもいないわ。

 

(フェルナンド) 彼女は彼を離さないわよ。お金のためだけではなく。