(フェルナンド)(つづき) (沈黙) じゃあ二つ目の質問。アメデおじさまの遺産が全部消費される二か月後、わたしたちはどうやって生活してゆくの?

 

(ヴィオレット) 質問は私の番だわ。あの人物を私が追い出さなかったとしたら、状況はどこが違うというの? 私たちの問題を解決するためにあなたが当てにしていたのは、あの「リサイタル」なの? (フェルナンド、肩をすくめる。) どうなの?

 

(フェルナンド) 彼自身がそのことを言ったでしょう、彼はあなたの路を開くことが出来たのよ。

 

(ヴィオレット) 言葉ではね!

 

(フェルナンド) そう思うの? まるで彼が、あなたに莫大な謝礼金をもたらすことができる立派な立場にいないみたいに。セルプリエ家での夜会は、とにかく、あなたに何千フランももたらしたわ。

 

(ヴィオレット) あのチャンスが私に来たのは、彼を通してなの?

 

(フェルナンド) 彼には、あのようなチャンスを再びつくるのは簡単だったでしょうに。

 

(ヴィオレット) 全くそうは思わないわ。音楽家たちの間では、彼は全然信用がないわ。

 

(フェルナンド) (つづく)