政治家というものは、国民の理解を得られないと思われる事案については、沈黙したり隠蔽したりしなければならないことがある、とは、一般にかんがえられることではありますが、それを賢明に為し得る政治家がどれほどいるか、私利私欲や権勢欲のために為す政治家も多いのではないか、これも一般に不透明なことです。だから、多分すべてを知らされていない国民の側からすれば、政治家は、国民のいだく正直な印象の表明にも、覚悟していなければならない、と思われるのです。国民にとっても、政治にたいしてどういう見解を形成することが正しいのかということは、とくに現在進行的な案件に関しては、まったく難しい課題です。賢明な政治家であるほど、その発言には、深い配慮と奥行きがあり、ときには、計算された効果への意識が働いているだろう、ということを、わたしもまったく想像しないわけではありません。そして、敢えてこのような想像の力を働かせるかぎり、現在の日本は、とんでもない世界情勢のなかにあるのではないか、と推測されるものがあります。それを前提にすれば、政治家の同じ発言も、その推測を前提にしない場合とは、まったく違う響きと印象をもつことになります。もちろん、そんな前提はまったく余計なものであって、直接的な印象が、真相のすべてを語っていると、判断することが正しい場合もあるでしょう。権勢欲だけを読み取るのが正しいのか、深慮が奥にあると見做すのが正しいのか、正直、まったくわかりません。さまざまな場合を想定できる思考力があるほど、わからなくなるでしょう。
 遺伝子に作用する、充分な治験期を経ない新薬をワクチンとして推奨することに懐疑的な意見を、〈ワクチン・デマ〉として一括的に決めてかかる報道ひとつをとっても、直接的にはそういう報道に憤慨するのは、当然のことです。深い見識を有する専門医の見解も、冷静に分析的に受けとめても、〈デマ〉を受け入れたと、いまの政治家は見做すのですか。背景を推測する知識を与えられていない国民からすれば、承服できないのは当然でしょう。NHKに、偏見を広める報道は慎むよう、指導していただきたいと思います。すでに十代も七割が接種したとのことですが、国は、将来の国民の身体と精神に責任をもつことができるのですか。思考力が健全な一割の国民が、日本の希望でしょう。いつもそういうものなのでしょう。政治に誤導されている大方の国民は、あわれなものです。
 私も、不安を煽る報道に乗せられた多くの国民が、みずから、ワクチンと称するものならば、国に詰め寄るほど求めたらしいこと、製薬会社の契約内容が、驚愕するほど一方的なものであったこと、を知っています。そのほかの国際情勢への配慮も、国には働いていただろうことも、想像できます。どうか真に国民の生活と命と精神を健全に保つことを真剣に意志されますように。
 

 

 

 

 

 

2021-12-16 

19:01:33