ぼくは、身体が健常な頃は、精神的につまらぬ者の言うことは問題にもしなかった。薬害で身体が変容を受けて本来の状態でなくなった今、しきりに、過去のつまらぬ者らの言葉を思いだして心が不快で、同時に、そういう言葉の罪性とそれを発した者らの罪深さに思いを致すようになっている。それはそれとして、ここらで、精神だけでも、健常な状態の頃の能動的な在り方にほんとうに戻ろうと、現在欲している。実際の状態を無視して、である。そうしないと、いつまでも過去のつまらぬ者らの言葉に受動的に苦しむことになる。記憶のなかで彼ら・彼女らの相手をするのに飽きたのである。たとえ肉親・家族でも。形成すべき観念は充分形成した。

 

ぼくに、「精神的につまらない」と思われることは、死罪宣告である。それで充分だ。

 

 

よし、じぶんの以前の状態に戻ろう。それが観念の幻想に再び憑かれることなのか、それはわからない。しかし真理より大事なことは、大志に憑かれることである。