なぜなら、

言葉による心の傷は、身体の傷いじょうに不治であり、言った言葉は償わなければならないから。親も教育者も、このことを理解しているほど教養が深いことはめったにない。 

 

一般に、社会人がこのことを理解し言葉を慎んでいるような社会は、理想郷にしか存在しない。 

 

 

言葉は償わなければならない。

言葉に時効は無い。このことは人生そのものが教えるのに、どれだけ歴史を積み重ねれば人類はこれを基本的教養として認識するのだろうか。 戦争の歴史を重ねてきた人類には無理なのだろう。 言葉は、戦争ほど目立たないが、戦争いや人類とおなじくらい古く長い罪の歴史を重ねている。