音楽には、誰かに聴かせてやりたいな、と思うものと、他を忘れてしまうものとがある。後者は、神か魂との対話に直面させるものである。こういうものがないと、いかに心に美しい音楽でも、つづかない。ぼくは二つの音楽をともに肯定しているのだ。 

 

 

信仰とは、魂と神のほかは忘れることだ。そういう境位に自分を追い込めない者、目覚めない者は、憐れである。ついに自分と対話できない者、自分を打ち立てられない者だから。