ほんとうに志を持ちうる女性がいる場合には、男がそれを内助してもよい。

 

ところがこの時代、こういう場合も認めた上でなのに、節題のようなことを言うと、〈じぶんだけいい子に〉と嗤う男がでてきた。こういういやしい男は、文字通り真っ先に地獄の鬼に喰わせてやるべきである。

 

東京あたりで生まれて生きてきた人間は、情報の多さが身についているせいか、志を持てない人間が多いようだ。極言すれば、志の故郷は、情報など何もなくて自分が無になれるような山川草木の地なのだろう。根深い純粋な志は、そういう地からこそ生まれるだろう。田舎者に尊敬を持たないような都会(東京)者は、それだけで精神的に遅れているのである。

 

 

およそ理屈分析ではなく真に哲学を志向する者は、志を持つ者である。