他人の欠点を感じることは、才能があるということではない(スタンダール)。なのにどれほど山のように多くの者たちが、この「感じ」で、ゆるぎないお山の大将の優越感を築くことだろうか。ぼくはさいわい、そういう者たちとは本質が無縁なので、ほんとうはそういう自惚れ屋たちがどういう自己意識を有しているのか、解らないし、解ろうとする興味もない。ぼくは、下賤な人間に無情なのだ。そういう人間がどれほど不快なものであるか、知っているから。