初再呈示
彫刻的創造についても すごく大事なことを言っていると思う。
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- リルケ ノオト
《しかし、この作者を純然たる宗教的情熱に結びつけたり、ましてや「求神者」という致命的な言葉で片付けようとするならば、この作品を誤解することになるだろう。リルケがたどる足跡は、そのような言葉が意味するものとは全く異なった方向へ、すなわち宗教的にも、いわんや「神学的」にも解釈することのできない独自の神話、なにものにも依存してないきわめて個性的な神話、「存在」についての神話へと導くのである。詩人の創造力が結びつくというより同一のものとなっている存在の根源、――無尽蔵に生産する存在の根源によって産みだされたものとしての「事物」が、すでに『時禱集』のなかで賛美されている(その生産的な力は後に「自然」ないし「大地」と呼ばれるようになる)。リルケの情熱は、本質的には「詩的な」もの、つまり命名しようとする情熱であり、彼はここにおいて神の超世俗的な実在を、いわば名前の洪水のなかに溺れさせるのである。》
「リルケ」 理想社 88頁
(周知の「ロロロ伝記叢書」。執筆者はH. E. ホルトゥーゼン)
高田博厚先生の彫刻作品にも「大地」と名づけられたものがある。