なあに?

 

うん、裕美ちゃんを大事にするのは、ぼくの宗教なのだ。そうでないと この世はちっとも面白くない。 きみを大事にしていて それがよくわかった。 

 

 

 なにか 星の王子さまみたいね 

 

 そうなんだよ たとえもの言わぬ薔薇でもね、大事に世話するものがないと、この世は砂漠でしかない。蜃気楼だ、なにかあると思っても。 情緒というものはね、なにもしないであるものではない。具体的な関わるものあって生まれるのが情緒だ。 

 

 

 日本の昔話やものがたりも、情緒のある作品はすべてそうなのよね。

 

 

 

 

(裕美ちゃん、いま、この世は、星の王子さまの舞台がそれであるように、砂漠であり、荒野です。砂漠とは、星が無ければ世界がそれであるものの、象徴であり比喩として、この物語の作者によって措定されているものだ、とぼくは気づきました。そして星もまた、羊を入れた箱のように、ぼくたちの心によって感じられるもうひとつの世界の光ある象徴なのです。)