初再呈示 

 

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結局、美感と知性は同一のものである。知性が「人間」のものである限りは。

 美意識の実現されたもの、実際に美を生む力をここで美感といっている。

〔美意識も美感も根本において宗教的な敬虔なものであり、しかも〈普遍宗教〉、真に個人的であると同時に真に普遍的な信仰、の原理となるものである。「人間」とこの意味での「信仰」は不可分である。〕





部屋の模様替えをしたら、パリを彷徨う先生の心境に入っていった。『薔薇窓』第二部の情景だ。気づけば先生はもうこの世のひとではない。想念のなかにのみ「存在」する。ぼくもまたほとんどそうだろう。おなじ世界に属しているのだ。おなじ世界・・しあわせなことだ。クリスマスの前に帰ってくると先生は伴侶に告げ、そのとおりかえってきた。伴侶と街を歩く孤独な先生の眼差しが彷彿とする。闇夜の聖なる幻影・・きみ、ぼくにもきみがいるのだよ・・