ぼくが日本、ドイツ、フランス、赴くところで哲学的に敬意を持たれたのは、ぼくの哲学への関わりが好事家のものではなく、本物だったからである。本物の哲学への関わり、それには、その本質にイデアリスムの態度がなければならないと、ぼくは確信している。この態度を徹底的にぼくに最初に叩き込んでくれたのは、哲学ではヤスパースであった。これがぼくの哲学王道となった。 

 

 

哲学への関わりが本物でない者は、ぼくが本物の学者から何故評価されるのか、その見極めがたぶん一生つかないだろう。