ほんとうに程度の高い者は、低い者に、おまえは程度が低い、などと、面と向かって言うことはない、とぼくは思う。 程度がほんとうは低い者が、高慢に自惚れて、そう言うのみだと思う。 だから、そういう言葉を面前で言った時点で、すでに偽物であり、敗北しているのである。 この世は いま、そういう夜郎自大ばかりだと言ってよい。 

 

 

 

 

(『「夜郎」は中国漢の時代の西南の地にあった未開部族の国の名』だそうだ。日本にも、そういう国民性らしい留学生が来て、ぼくが教えたことがある。他への忖度の無さが甚だしいので、日本では苦労するだろうと ぼくは予見した。)