言いたいことが簡潔によくまとまった文章だ。 毎日弾いているがすこしも上達しない。基礎固めだし、弾く意味はほかにある。基礎の上に工夫して、形あるものにしようという気はある。とにかく毎日弾ける曲なのは たいしたものだ。超のつく難しさだ。 



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この難解であるが銀河の星を撒いたような美しいニ短調のピアノ曲は、弾いてみると童話のように素朴な旋律の組み合わせによって成っており、たどたどしい再現でも楽しめる開放感がある。そこでぼくはこう思った。この曲の創作者は、美しい全体は美しい部分から成るという哲学をもつに至ったひとであり、まず純粋に美しい部分旋律から始めて、その組み合わせによって壮麗な宮殿を創ることを、意識的に為したのではないか、と。 

 とにかく、不思議な曲である。