人間というのはだいたいが正気で半気違い。正気な人間のなかに狂気と反道徳がある。 

 

 

精神病というものは、そういうものとして、各民族・各時代の文化状況において多様かつ広範にみられるのであり、「精神病」というレッテルそのものが、未解明の人間現象への とりあえずの呼び名であることが、ヤスパースの精神病理学の網羅的記述によって知られる。