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イタリアにおいて、彼〔ゲーテ〕は芸術が生みだされてくる際に原動力となるものについての見解を確立することができた完全な芸術作品の中には、人間が神的なもの、永遠なものとして崇めることのできるようなものが含まれていることを彼は知った。・・・ 彼は次のような言葉を書き記している。「高い芸術的な作品は、同時に 真実の、自然な 法則に従った人間による最高の自然の作品として生み出された。あらゆる恣意的なもの、あらゆる空想的なものが瓦解するところ、そこに必然性があり、神がいる。」〔太文字原文、傍線引用者〕 ギリシャ人の芸術が彼をして次のように言わしめている。「私の察するに、自然が規範とする法則に従って、彼等(ギリシャ人)は行動し、私もまた彼らの軌跡の上を歩んでいる。」 プラトンがイデアの世界において見出したと信じ、また哲学者が彼にけっして近づけさせることができなかったものが、イタリアの芸術を通して彼の眼前に現われる。芸術的な作品において彼は自然の働きの一つのあり方、そのより高い段階を見ている。芸術的な創造は彼にとっては高められた自然の創造である。》 

 

「ゲーテの世界観」 シュタイナー、46頁

 

 

 

シュタイナーのみごとなゲーテ理解がつづく。 

このような理解の重大性は、高田博厚の根本思想をわたしの欄で読んでいる読者には、あきらかだろう。