チャイコフスキーの曲には、時を忘れさせる魔力がある。この世を、と言ったほうがいいかもしれない。聴くよりも弾いているとき、それを感じる。 彼の音楽がどんなに純粋かということだろう。

 ここまでは、チャイコフスキーそのもののこと。弾いていて、ぼく自身がぼくに向き合うということも、同時に起こっている。ぼくの経験とね。そして、そこにおいて生じる自尊の念のあまり、ぼくはいまこう言っていたんだ: ぼくを舐める者は地獄へ落ちる。これはぼくが宇宙の法として設定したことだ、とね。それくらい、ぼくを舐める者への怒りはおおきいんだ。一瞬で宇宙を貫くほどにね。 

 

 

 

ぼくがそういう気持を持っているという事実そのものが、宇宙の法より強いのではないだろうか。