あなた、パリや東京に居らして、いまずっと鹿児島で、文化的に欲求不満にならないかしら?
かんがえ方なんだよね。ドイツにも二年いたけど、あの頃をおもうと、ここに居ることがどんなにありがたいことか、とおもうよ。あの二年は正真正銘のぼくの人生の浪費だったとずっと思っているけど、いま、その経験がそれなりに活かされるのに気づいている。 自分らしい意識でいられることが、どんなにありがたいことかってね。 ドイツでは、自分の意識が無くなってしまう恐怖との闘いだったよ。それも、フランスの国境にあるストラスブールに二か月にいっぺん行って息をすることで、どうにか耐えていたんだ。ひとつの国の空気というのは、おそろしいものだね。もうぜったいに、フランスに方向転換するしかなかったんだ。