座右宝刊行会が編集制作し、現代彫刻センターが発行した、高田博厚作品集が、最もよい(藤本四八氏のものも、別角度から良い)。写真が彫刻作品の真を引き出している。そのなかの17頁の言葉である。「私は、己が半生を生きたヨーロッパで、無数の〈美しいもの〉を見た。そしてそこに私は〈神〉の存在を知った。」につづく言葉である。

「すぐれた芸術は、〈神〉が人間存在の最もたしかな証であることを示す。」

 

つぎの言葉もある。 

 

「私は対象を写生はしない。しかし自分の思想が〈もの〉に応ずることを願う。」 

 

 

 

高田博厚の「存在」は、われわれが理解するのをいまもって待っている、というより、われわれがわれわれ自身の「存在」を理解するのを待っている。