或る性格診断によると、ぼくのような人間は、「自分は特別」と思っているらしい。しかしこういう〈診断〉を、ぼくは否定的にとらえず、むしろ逆に肯定的にとらえる。ほんとうに特別なものがあるからこそ、「自分は特別」と思っているのだ。これは、ぼくに固有な自己感覚で、言葉や観念でどう表現していいかわからない。そのくらい根源的なもので、根底のところでぼくの安定感を支えているものだ。これを否定する者は、ぼくのほうから全部否定される。そのくらい、殆どの他者は「敵」である。日本においてそうなのだろう。このくには、個人の特別感を、徳の美名のもとに、寄ってたかって潰そうとするから。それはまず家族間で開始される。ほんとうに、「個」の尊重のなっていない国なのである。

 ともあれ、このくにがどうあれ、ぼくは特別な人間だということは ぼくの根底的で自然な自己感覚であり、この感覚を覚えているときがいちばん気持も安定している。社会や学、すなわち他者の総称は、これをいじくり壊そうとするだけである。